Oリングの材料(材質)選定について
Oリングは、様々なご使用される条件で、適応できる材質を選定しなければ、例えば「油にOリングが溶けて漏れた。」「Oリングが熱さに負けて劣化が早い。」と言うように、不具合=トラブルが発生いたします。これはゴム他、Oリング材料に汎用材質として全てに良好の材質がない理由からです。良い材料は高価であり入手性に難が出やすく、加えて過剰品質からコストに合わないことが原因の一因です。汎用材質は、『○○に強いが××に弱い』と言う難点がありますので、何に重点を置くかということになります。またOリングの硬さにおいても、Oリングのハウジングケースが肉厚で薄くOリングのゴムを潰しきれない、あるいは流体圧力が高くシール漏れやOリングの破損が発生すると言うケース等が考えられます。
1. 材質(材料)と特性(性質)
NBR (ニトリル)1種A ゴム硬度 70°Hs |
最も一般的材料で耐油性、耐摩耗性に強い。 |
NBR (ニトリル)1種B ゴム硬度 90°Hs |
1種A材料に同等で耐圧性に優れる。 |
NBR (ニトリル)2種 ゴム硬度 70°Hs |
ガソリン、軽油、灯油等の燃料油に優れた耐油性を持つ。 |
HNBR (水素化ニトリル) | NBRの耐熱性、耐候性、耐薬品性を改良した特性を持つ。 |
SBR (スチレンブタジエン) 3種 |
エチレングリコール、ブレーキ油等の動・植物油に優れた特性を持つ。 |
Si (シリコ-ン / シリコン) 4種C / VMQ / Q / SR |
耐熱性、耐寒性を持ち優れた圧縮復元力を持つ。 |
FKM (フッ素/バイトン) 4種D / FPM |
最も優れた耐油性、耐熱性、耐薬品性を持ち、広範囲に使用できる。 |
ACR (アクリル) 4種E ACM / ANM |
NBRを越える耐熱性、耐油性があり、エンジン油、ギヤ油、トルコン油などに優れている。 |
CR (クロロプレン / ネオプレン) |
耐候性、耐油性に優れる。耐フレオンガスに最も優れている。 |
EP (エチレンプロピレン) EPDM / EPT |
耐候性、耐オゾン性に優れる。 |
極高ニトリル (ニトリル) | 耐燃料油性に優れており、ガソリンに最も適する。 |
IIR (ブチル) | 耐薬品性、耐水性に優れ、各種気体を透過し難い。 |
PUR (ウレタン) / U | 耐摩耗性、耐引裂性、耐候性、耐寒性等に優れる。 |
CSM (ハイパロン) | 耐候性、耐オゾン性、耐薬品性等に優れる。 |
PTFE (テフロン) / 4F | 耐熱、耐薬品、非粘着性等々に、非常に優れるが弾性体ではない。 |
SUS (インコロイ / メタル / 金属) |
高温・高圧力・高真空に優れる。 材質は金属です。 |
FFKM (パーフロ/ カルレッツ®/ケムラッツ®) |
耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性がゴムの中で最高の材質です。 |
FVMQ (フロロシリコーン) | 耐寒性、圧縮永久歪み、耐油性に優れる。 |
2. ゴム硬度
石油合成系 (NBR/CR/EP等) | 40°Hs~90°Hs (NBR、SBR、ACR、CR、EP、IIRなど) |
シリコ-ン / シリコン | 20°Hs~80°Hs (Si) |
フッ素 / バイトン | 50°Hs~90°Hs (FKM) |
*ゴム硬度は10°毎に増減し±5°となります。
3. 耐熱について
標準材料 | |
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材質 | 使用温度範囲の目安 |
1種A | -30℃~100 (120)℃ |
1種B | -25℃~100 (120)℃ |
2種 | -25℃~80 (100)℃ |
3種 | -50℃~80 (100)℃ |
4種C | -50℃~200 (220)℃ |
4種D | -15℃~200 (220)℃ |
4種E | -15℃~130 (150)℃ |
特殊材料 | |
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材質 | 使用温度範囲の目安 |
EP | -45℃~130℃ |
IIR | -40℃~120℃ |
CR | -45℃~100℃ |
アフラス | ±0℃~200℃ |
HNBR | -20℃~150℃ |
*()内はMAX値
*使用温度範囲はご使用の条件や環境によって異なりますので、必ずご試験下さい。
*詳しくは、下記「カタログダウンロード」のPDFをご覧ください。
*上記以外の高機能素材については、製品案内の「高機能素材 」の項目をご覧下さい。
カタログダウンロード
カタログデータがこちらからダウンロードできます。
PDFカタログ:Oリングについて(Oリング用ゴム材料)