ケムラッツ®

ケムラッツ®とは

ケムラッツ®は、米国に本社をもつグリーンツィード社が開発、製造、販売するパーフロロエラストマーで、他のエラストマー材には見られない幅広い耐化学薬品特性を持っています。

ゴム状弾力性とふっ素樹脂に近い耐化学薬品特性を持ち、広い温度範囲(-30~324℃)で長期間良好なシール性能を発揮します。多くの産業分野で、これまで困難とされてきたシールの問題点を解決する材料としてお役に立つ製品で、優れた費用対効果を持っています。

ケムラッツ®の特微

ケムラッツ®は、パーフロロエラストマーの一種です。原料のポリマーは、三種類以上のモノマーで構成されていますが、それらのモノマーの水素原子は全てふっ素原子に置き換えられております。水素原子がふっ素原子に全て置き換えられると、そのモノマーは、化学薬品や熱に対して非常に安定した状態になります。このため、ケムラッツ®は優れた耐熱性、耐化学薬品性ならびに耐溶剤性を持っております。ケムラッツ®の主要な成分は、四ふっ化エチレン(TFE)ですが、その他の第二、第三のモノマーも、水素原子を完全にふっ素原子に置き換えた“過ふっ化モノマー”が使用されております。これらのモノマーは独特な特性をもっており、ケムラッツ®にバランスの取れた優れた特性を与えるのに役立っています。

優れた耐熱性、耐化学薬品性の他に、他のパーフロロエラストマーに比べて、より優れた耐水性と低温特性も兼ね備えた製品になっています。

ケムラッツ®の応用分野

ケムラッツ®は、ほとんど全ての無機酸、有機酸、アルカリ類、ケトン類、エステル類、アルデヒド類、アルコール類および燃料などに優れた耐性を持っています。また、水蒸気や熱水に対しても優れた耐性を示します。他のエラストマー材では、膨潤したり脆化したりする石油化学の原料中間体および製品にも、ケムラッツ®は長期間、安定したゴム状弾性を維持します。また、ケムラッツ®製Oリングは簡単に装着でき、不完全なシール面にもよくフィットし、金属製シール部品に較べ優れた性能を発揮します。また、PTFE製シールに見られる変形も発生せず、相手面を摩耗させることもありません。
応用分野の一例として次のものがあります(半導体製造装置用を除きます)。

化学装置と石油製装置

ポンプのハウジング、反応槽、攪拌機、コンプレッサー、バルブ、計測器、その他の設計機器に使用されています。Oリング以外にもお客様の設計に基づいて製造するバルブシート、ステムパッキン類、ダイアフラムならびにガスケットなどにも適しています。 また、API682の承認を受けており、メカニカルシールの幅広い分野で使用されています。

分析機器と設備機器

浸蝕性の強い薬品を取り扱う装置のダイアフラム、カラム継ぎ手、ガスケット、へルールなどに適しています。

輸送機器

流体燃料や化学薬品等の輸送容器の圧力調整弁、荷積・荷卸設備などに適しています。

原子力発電

他のエラストマー材に較べて安定性や耐性が高いので、原子力発電所のチェック・バルブや圧力調整弁に使用されております。

ケムラッツ®のラインアップ

ケムラッツ®の一般産業用途向けグレード

ケムラッツ505 適度な硬度とモデュラスを持ち、圧縮永久歪が小さいなど、多くの用途に適した汎用品です。また、既存のパーフロロエラストマーの中では最も広範囲の耐化学薬品特性を持っています。
ケムラッツ510 高硬度の製品で、高圧・高温の用途あるいは熱サイクルが繰返される用途に適しています。
ケムラッツ605 優れた耐熱性と機械的特性を兼ね備え、ダイアフラムのような稼働部にも利用されています。また、150℃以上の水蒸気にも適しています。
ケムラッツ615 最も優れた耐熱性を持ち、324℃までの使用が可能です。また、既存のパーフロロエラストマーの中では最も小さな圧縮永久歪を示します。但し、水蒸気には使えません。
ケムラッツ514、517
および519
カーボンブラックによる装置内の汚染を嫌う用途に適しています。但し、酸類、アルデヒド類、酸化エチレンおよび酸化プロピレンには使えません。
ケムラッツ584および585 酸化力の強い流体や高温の水溶液が存在する環境下での使用に適しています。汚染の原因になる添加物を含んでいない為、クリーンな環境での使用が可能です。また、クリーンルームで製造・包装し、不純物の混入をより少なくすることも可能です。
ケムラッツ526 ガス用途向けに開発し、急激な減圧時の爆発を防止します。

カタログダウンロード

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